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映画「3月のライオン」ネタバレややありの【闘いの前編】感想

3月のライオン」闘いの前編を観てきました。

この映画は、羽海野チカ原作の漫画「3月のライオン」の実写版なのですが、例によって私は原作漫画を読んでおりません。
漫画を読んで実写版を観たのは「NANA」くらいでしょうか?あの時もコレジャナイ感が強かったっけ…
娘が神木隆之介ファンでもあり原作も読んでいて、映画も見る気まんまんのようですが、なかなか行けないうちにもう後編が始まりそうです。
なので、私ひとりで観てきました。
主人公、桐山零は幼い頃に家族を交通事故で亡くし、父の友人である棋士の家に引き取られます。
その家には二人の子供がいて、零はその子達と同様プロの棋士になるべく将棋中心の生活を送ります。
やがて成長した零は、その家の子達より将棋が強くなり、家族関係が悪化して家を出ていきます。
ここまでの設定は、映画を見る前に娘から聞いていました。
そして、映画は零の両親と妹の葬式シーンから始まりました。

事故で一家が犠牲になり、自分一人だけが生き残ったとしたら、一体どうやって生きて行けばよいのでしょうか?
零には将棋をする事が、生きていくためのたったひとつの方法なのでした。

この映画では、前半は家族や師弟、友人、零を取り巻く人々との繋がりについて描かれます。
絶望的なほどの孤独の中にいる零は「自分にはこれしかない」将棋でさえ、本当は好きではないのでした。
そして後半は、将棋という厳しい勝負の世界が展開されていきます。
私は将棋が出来ない上、将棋なんてジジイ年寄りが暇つぶしにやるもの位に思っていましたが、それは大きな誤解でした。
映画「ちはやふる」を観たときに、競技かるたって格闘技だなと思いましたが、将棋もまた、頭脳の格闘技なのでした。
将棋の解らない私が、将棋の映画を楽しめるのか?という心配も杞憂でした。
棋士役が皆、対戦中の心の機微を上手く表現していて、特に佐々木蔵之介の演技は上手いと思いました。

育ての親の家を出て、ひとり暮らしをしながら高校に通う零。
でも、お金はどうするんだろう?と思ったら、プロ棋士なので収入があるのでした。棋士って稼げるんですね。何と、高校の担任よりも高収入!
でも、勝たなければ零は生きていけないのです。
他の棋士たちも皆、それぞれの人生を賭けて対局に臨みます。

映画はグイグイと将棋の世界へと引き込まれていき、面白かったです。
羽海野チカが描く零を実写化するのは神木隆之介しかないと思えるほど、全く違和感がありませんでした。
義理の姉、香子役の有村架純はどうだったんだろう?原作の香子は見た事がないのです。
香子には香子の葛藤があって、自分から夢を奪った父親や自分の家庭を壊した零を憎む気持ちも解るのだけれど。
有村架純もかなり嫌な部分を頑張ってさらけ出しているのだけれど、可愛い子が無理している感もあったりして。
それから、零の友人であり良きライバルでもある二階堂役は、染谷将太です。
まさか特殊メイクとは思わず、この彦摩呂みたいな変な人、誰だろう?と思っていました。
難病を抱える二階堂にとっても将棋は「自分にはこれしかない」ものであり、その執念を迫真の演技で見せつけてくれました。

どこにも居場所のない孤独な零でしたが、本当は孤独なんかじゃなかった。
生きるために「好きです」と嘘をついた将棋への想いが、零の中でいつの間にか変化していく。

後編の零はどう描かれていくのか、早く観に行きたいです。


そういえば、香子の母親はどうして最初しか出て来なかったの?
義理の姉が弟の部屋に泊まるとかハグとか、実際には有り得なくね?
新人王戦で零と戦う山崎が怖くて、ヴォルデモート卿かと…
等のモヤモヤポイントも途中に幾つかありましたが(笑)面白かったです。


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エンドロールで流れる曲は「ぼくのりりっくのぼうよみ」という面白い名前のバンドです。
映画を観終わった時の感情に寄り添ってくれる、とても素敵な曲でした。



ぼくのりりっくのぼうよみ - 「Be Noble」ミュージックビデオ