w a k u r a b a

文芸メイン、その他もろもろ

大学病院通り①

十数年ぶりに大学病院に行ってきました。

事の起こりは、先週です。

左腕にぽつんぽつんと、赤い発疹が出たと思ったらあっという間に広がって、それがもの凄い痒みでした。

こうなると市販薬では効かず拗らせるのを知っているので、病院に行く事にしました。

皮膚科医院は家の近くにあるのですが、そこにかかるのは初めてでした。

医師は年配の優しそうな女医さんでした。

眠れないほど痒いと言うと

「この時期で多い原因は、毛虫です。

いつも洗濯物を干す場所に、毛虫がいるような木はありませんか?」

「我が家では一年中部屋干しです。」

「木の下を歩いたりしませんでしたか?毛虫の毛というのは目に見えないくらい細かくて、それでも皮膚に付くとこのようになるんです。」

 

そういえば、駐輪場に木はあるけど。

立ち止まって街路樹を眺めたりもするけれど、毛虫なんかいたかしら?

 

家にあった軟膏を見せて、取りあえずこれを塗っているのだけれど全然効かないというと

「では、一番強い軟膏を出しましょう」

と女医さんが言い、カルテには毛虫がどうのこうのと書かれました。

 

その後、私は気になる腫れ物の事を話しました。

それは後頭部にあって、自分では見ることが出来ませんでした。

学童保育室でバイトをしていた2年前、女子達が「ねえ、それ何?」と言いだしました。

私は、いつからそれがあるのか解りませんでしたが、手触りで大きめの黒子だと思っていたので

「黒子でしょう?知っているよ。」と言うと

「違うよ。見せて。よく見せて」と煩かったのです。

人の体にあるものを面白がらない事。

タンポポは気にしないけれど、怒る大人はいるよ。

子供同士でそれをやったら、イジメだよ。

でも子供達はクスクス笑いながら、人の話を聞いていませんでした。

(そんなに目立つのかな?取っちゃおうかな。)

この時はそう思ったのですが、何しろ痛くも痒くもないし自分からは見えないので、そのままにしていたのです。

 

先日、女性タレントの顔に皮膚がんが出来て、除去手術をしたというニュースを見て、そういえば…と後頭部を探ると何だか前よりも大きくなったような気がしました。

話しやすい女医さんだったので、ついでにその事も話しました。

女医さんは特殊なルーペで腫れ物をよくよく見て、こう言いました。

「見たところ、悪いものではなさそうですが…

このまま経過観察でも、うーん…大丈夫…ですが…

最近、大きさが変わったというのであれば…

念のために大学病院で診てもらう事も出来ますよ。」

 

私は、最初の「悪いものではなさそう」という部分だけで安心してしまい、

「ああ、そうですか。じゃ様子を見ます。もっと大きくなったら取っちゃいます。夏が終わって涼しくなってから」

などとノンキな事を言い、内心このまま何もしないつもりでした。

ですが女医さんは

「紹介状、出しますよ?A医大病院のA教授に診てもらえます。

A教授なら、診ればすぐ解るでしょう。

私、ちょっとこれ自信がないから。

 

 

 

( ゚Д゚)うそでしょ???

 

少し驚いたものの、私はとにかく早くこの痒い左腕を何とかしたかったのと、前の晩に痒みでロクに寝ていなかったので思考力がなく

「検討してみます。」

と言って、帰宅しました。

 

軟膏は効いて、3日目には赤みもなくなり痒さも治まりました。

そして、よく思い返してみると、あの女医さんは何だかすごく私に紹介状を書きたがっていた気がしました。

悪いものではなさそうという見立てが、もし間違いだったら…

皮膚の病気をネットで調べているうちに、私は恐ろしくなっていきました。

 

大学病院で、診察、検査、手術、入院…?

嫌だ。嫌だ。でも躊躇するひまはないのだ。

私は皮膚科医院に行き、左腕の発疹はおかげ様で良くなった旨を告げました。

そしてA医大病院への紹介状を書いて欲しいと願い出ました。

女医さんは、私の顔を見るなり「うんうんそれがいい」と直ぐに紹介状を書きしたため、

「お忙しい教授なのだけれど、一番早く取れる所に予約を入れましょう。」

と言って、A医大病院に電話をかけました。

すると、この翌日にA教授に診てもらえる事になったのです。

 

事が上手く運び過ぎている。

何だろう…

 

考えまいとしても眠れず、結局一晩中スマホをいじって朝を迎えました。

 

A医大病院に行くのは十数年ぶりです。

家からは自転車で行きます。

久しぶり過ぎて、駐輪場の場所が解りませんでした。

病院前の通りには、もう紫陽花が咲き始めていました。


f:id:tanpopotanpopo:20160601123210j:image

 
 

f:id:tanpopotanpopo:20160601123227j:image
 
 

f:id:tanpopotanpopo:20160601123244j:image