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文芸メイン、その他もろもろ

虫のこと②

本当はクビキリギリス(首切螽斯、クビキリギスとも言う)ではない

全く別の事を書こうと思ったのですが

昔をいろいろと思い出してしまいました。

虫にまつわる話をいくつもいくつも…

あーキモい…

 

需要があるとは思えないので、せいぜい3話くらいにしておきます。

 

 

子供の頃、古い木造一軒家に住んでいました。

小2の時に町の道路がアスファルトに整備されるまで、近所は畑と田圃だらけでした。

夜になるとゲコゲコゲコゲコと蛙の大合唱が聞こえます。

虫の声も、風情というよりも騒音レベルでした。

 

ある日の晩、ひとりで2階の子供部屋に行く用があったのだと思います。

「暗くて嫌だ」という私に、「いいから早く行きなさい」とせかす家族達。

恐る恐る部屋に向かい、電気を点けようとしたその時に

小さなまあるい光がぼんやりと、点いたり消えたりしていたのです。

何だろうと思い見ていると、その光はふわりふわりと空中を漂い始めました。

私は、はっと気がつきます。

 

 

 

 

 

 

 

ヒトダマ!

 

 

転がるように階段を駆け下りて、家族に向かって絶叫しました。

 

「ヒトダマがいた!ヒトダマが飛んでる!」

 

 

母は「まさか」と言って、取り合いませんでした。

それでも私があまりにもうるさいので、一緒に見てくるようにと私の2歳上の姉に言いつけました。

姉は面倒くさそうに、それでも多少の興味を持って私と一緒に子供部屋へと向かいます。

 

「このへんにいたの。ふわーんふわーんって」

 

けれども部屋にはもう、人魂はいませんでした。

小さな黒い、変な虫が一匹いただけでした。

私は姉に、嘘つきのレッテルを貼られて数日を過ごす羽目になりました。

「タンポポはいつもそうやって、嘘ばかりつく」と言われる度に

「見たんだもん!本当に、いたんだもん」と悔し泣きをしながら。

 

 

 

 

「火垂るの墓」を観たのは、大人になってからです。

節子カットだった、あの頃の私に教えてあげたい。

 

 

 

 

タンポポ、あれはヒトダマやない。

 

ホタルや…