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原発再稼働に思うこと

モニター歴は長いです。

今まで一般企業だけではなく官公庁やマスコミ、電気、ガス、水道など

ありとあらゆるモニターをしてきました。

商品テストやアンケートや座談会が主な内容で、そこで知り得た情報は口外しないのが決まりでした。

任期1年というものが最も多く、任期が終わると資料は全て破棄しました。

当時のパソコンも、もうありません。

なので証拠をと言われても出せません。

東電の時か、他の会社によるグループインタビューの時だったかも覚えていませんが

15年以上前の事で、本当の話です。

 

座談会のテーマは「原子力発電所の使用済み燃料の核廃棄物処理場について」

処理場の建設にあたり、そこで行われる処理方法がいかに安全であるか

スライドを見せられながら延々と説明を受けたのでした。

私は原発反対派の運動員でもなければ放射能の知識に長けた物理学者でも

科学者でもない、そこにいた10数名と同じただの主婦モニター。

内容はうろ覚えですが、高レベル放射性廃棄物はガラス状に固められ

ステンレスに閉じ込めたモノになり長い間(何十年も)貯蔵したのちに

地下の深い深い所に埋めるのだそうです。

とにかく「安全な処理」が施されるのだから、近隣住民も安心して暮らせるのだと

そのような内容でした。

それを聞いて他の人達は

 

だったら安全ね~

 

と、完全に洗脳されたのか、この場は適当に受け流しておこうというのか

わかりませんが主催者側に都合のいい流れになっていました。

私はチェルノブイリ事故に関する本を読み漁った時期があり

「それなら安全ね~」などとはとても思えませんでした。

地震の多い日本中のどこに安全な地層があるのか?

絶対に安全、安全というのなら東京の地下にでも作ったらどうなのか?

幼稚ながら不都合な疑問を次々ぶつける私には発言の機会をなくされ

しまいには「今の生活を続けるには電気、原発は不可欠でしょう?」と

半ば開き直るような主催者側の態度でしたので

「少しくらい生活が不便になってもいい。今こそ原発にかわる発電を考えた方がいい」

と言うと鼻で笑われました。

(何を言ったところで、何も変わらないのだ。)釈然としないまま、私は黙ってしまいました。

相場よりも高い謝礼だった、あの座談会の主旨は一体何だったのか。

 

 

それ以来私は、日常の中で原発の事もこのモニターの事も忘れ、原発の文明を享受してきました。

けれど2011年3月11日以降の福島に起きたこと…

「絶対に安全」などどこにもない。それどころか人間は放射能の前では何も出来なかった。今も出来ないままだしこれから何年経ってもきっと出来ないままでしょう。

放射能を自在に管理するなんて事は、人間の傲りでしかないのです。

 

 

 

風が吹くとき

風が吹くとき

 

 

風が吹くとき」は

スノーマンなどの絵本で有名なレイモンド・ブリッグズの作品です。

戦争が勃発し核ミサイルが発射され

田舎で静かに暮らしていた老夫婦も放射能によって衰弱し、やがて…

 

 

 

 

被爆国、日本は核兵器を持たない国なのに

貯蔵される核廃棄物は相当な数の核兵器が作れるほどだそうです。

私達は、知らない事がたくさんあるのです。

 

 

これは2011年4月に書いた記事を一部修正したものです。